2011年8月21日日曜日

名古屋おっさん道中


少し前のことになるが、久しぶりに猛暑の名古屋へ。ちょいちょい出張しているものの、暑いと知ってて猛暑にわざわざ訪問するのは数年ぶり。外は暑いけど、タクシーもホテルもシンガポールですかと思うほど、クーラーがキンキンにきいています。

名古屋は肉を食べない人にとっては旅の食の楽しみがないのと、比較的緊張度の高い出張が多いので、いつもさくっと日帰りしてしまって意外と街に関する知識がないことがわかりました。名古屋城、味噌カツ、ひつまぶし、and...???  ちょっと調べてみると尾張徳川家のお膝元、ということで、徳川園という徳川家の邸宅があり、江戸時代はエコ時代という本を読んだばかりだったので、今回のテーマは、太陽光と水をうまくつかってほとんどゼロエミッションだった時代を再現、名古屋城と徳川園で <テスラ、タイムマシンで江戸時代へ>みたいにしようかなと思っていたのだけど。

いまいち浅いな。。。と、色々調べてみたら街のルーツはやはりモータリゼーションなのだということがよくわかりました。熱田神宮がまずできて、その周辺が海運で栄え、東海道の宿場町であり、陸路と海路の出入り口であり、トヨタのお膝元、戦後の都市計画で道路整備に成功し、現在の流通を支えている(余談ですが、某クルマも良く売れます)。ということで、今回のテーマはずばりモータリゼーション。リニア鉄道館とか豊田自動織機工場跡(トヨタ自動車のルーツ)とか、七里の渡し など見つけて、タクシーでまずは見て回り、タクシーの運転手さんに、アンタたち、こんなんどうやって調べたんね、普通の観光客行かないようなところばっかりだわ、無茶言うわ、と笑われ、結局、名古屋城と、一番気になっていた松重閘門に決定。市役所の方がすごい親切で、事前に周辺図を送ってくれたりしたのも助かりました。


それはそうと、Google Street View, Google Earth, 助かりましたよ。名所だけじゃなくてその周辺情報も必要だったので、上から横から、色々見ました。調べている途中で気づいたのだけど、名古屋、やはり道路整備がすばらしい。自慢の100メートル道路はもちろんだけど、一通でさえ道が広いから多少停めてあっても普通に通れるし=停めて撮影できるわけです。

往きの新幹線ではコーヒー、ランチにカレー、モータリゼーションについて語り、夜は名店でひつまぶし食べました。途中、女の子ってメシ出てくると必ず写真撮ってどっかにアップするよね、そうね、って話したのに、カレーもうなぎも写真撮ることなく、熱いうちにさっさと食べるぜ的テンションは、なんだかちょっとオッサン道中。

そういえば、ロケハンにつきあってくれたタクシーの運転手さんが、<無茶せんと、人生うまくいかんけね> と言っていました。

そうかもしれんね。

2011年8月19日金曜日

ドーナツ物語 Vol.2


にわかにドーナツづいています。
先日ブルーノートに行く途中で見つけました。Website によると間もなく1周年。知らなかったなー。

Haritts とちょっと感じは似てます。ヘルシーでやさしいお味。さらにナチュラル系。プッチにサングラスでちょっとこの店に入るには似合わないので入らなかったと冗談で笑い話をしたら、先ほど某イケメンがお土産に買ってきてくれました。つい昨日話して今日のお昼ですよ。

古今東西、イケメンはイケメンだけにあらず。
温かいお気持ちありがたく。

ごちそうさまでした。

2011年8月15日月曜日

Wonderful Jazz Days


5月のカリフォルニアの旅から帰って以来、ラジオを聞くようになった。自分のクルマを運転している時はエンジンの音や街の音を聞くのが好きだから、普段は音楽なんてほとんどかけずに運転しているけど、カリフォルニアで運転していたクルマは極めてスムーズなオートマで、ひたすらハイウェイを走るだけだから、まー、ラジオでもかけますかねと。するとまあ、普通のオートマ車がクールなジャズカフェに早変わりじゃあないですか。すばらし。

宣伝の仕事をしていたときに媒体資料を見た限りでは、広告媒体としてのラジオはあまりにスケールしないし、ターゲティングもせいぜい地域くらいしかできなくて、それ以来、私のラジオに対するイメージは悪かったのだが、クルマの仕事をするようになるとラジオでのコメントや取材のご依頼も多くいただく。まー、だれも聞いてないだろうと思って気楽に対応すると、案の定反響はまるでないのだが、コンビニとかガソリンスタンドとかファミレスとか、クルマのなかで聞いてそのまま立ち寄れるようなところとか、買えるような商材であればよい媒体なのかなとも思う。ウチもそこら中にディーラーがあるとかであればよいのかもしれないけど。

最近は家庭やオフィスでは、わざわざラジオ機で聞く人はほとんどいないそうで、インターネットラジオ、つまりPCやモバイル経由で聞かれているケースが多いそう。世界中のラジオ局にアクセスできるなんてすばらしい。iPhoneのラジオアプリもすばらしい。私もカリフォルニアで見直したラジオ熱さめやらぬ中、PCからインターネット経由でジャズチャンネルに早速アクセス。なんのトークもなく24時間、ひたすら音楽が流れていて、やー、ラジオ、これでいいよなと。フクヤマのエロトークもよいが、実際、なにかしながら聞くわけだから、エロトーク聞きながらまともな仕事もできないし、じーっと聞いているわけにもいかんし、その時間にいちいちチャンネル入れるのもよっぽど好きな人か必要な人だけだろう。スイッチ入れたら素敵な音楽が流れてくる、必要なときに切り替わって必要な情報が提供される。それで十分。ラジオはシングルタスクでよいのである。

ということで、ななちゃんの死後がんばれ私キャンペーンで購入した物品の数々のなかのひとつ、HeritageでJazz Channel つけっぱなし。気のせいだと思いますが、PCで聞くより音がラジオから流れてくる音っぽく、Jazzy な気分が盛り上がります。

我が家の夜はちょっとNYです。

2011年8月13日土曜日

飲酒。都会の海にて。


毎夜のごとく飲酒に通う代々木上原のファイヤーキングカフェは、写真や絵画などのアートが展示され、昼間美術館になかなか行けない人々にとっては、入場料5000円の美術館お酒付き、と言ったところであります。かなりリラックスモードで行くので、この展示が気持ちがよいと、素敵なアートとともに寝る前に1杯飲みたくなり、1杯じゃたいていすまないのが問題であり、展示が気持ちよくないと行く回数が減り、お財布と肝臓には優しいのでありますが、結局他で飲むので、まあ結局飲むのであります。

今月は、写真家の杏橋幹彦さんが、海中で撮った美しい波の写真の数々が展示され、東京にいながらにして、美しい海とともに飲酒することができます。普段、海はどうしても陸から広く見るか、海上から遠くを見るか、空から俯瞰するかしか絵の記憶がないので、海がきれいとか汚いとか思う時はその全景に対して感じているわけですが、ここにある写真は、海というより波や海水を生き物としてとらえてあって、その表情を切り取っているように見えます。ちょっと見たことのない世界です。

昨日は偶然、写真家ご本人がお隣で、光栄にも少しお話をすることができ、なぜこういう写真を撮っているのかとか、どういう思いで撮っているのかとか、どうやって撮っているのかとかおうかがいすることができました。

撮影はまさに命がけだそうで。
しかし、写真は海の普遍的なたおやかさや神秘を感じる、美しいものばかりです。

飲み過ぎ注意。

2011年8月5日金曜日

Brassai


最初に勤めた会社の上司のデスク後ろの書棚には素敵な写真集がたくさんあって、お茶汲み電話番コピー取りのお気楽ちゃんだった私は、日々それらを失敬してヒマをつぶしていました。週末、家で見たいからと持って帰って、ちゃんと週明けに返すべきでしたが返していないらしき本が地震後の整理で発覚。。。そしてナニに呼ばれたのか、10年ぶりくらいに駅で遭遇して、開口一番、あー、すみません、実はお借りしたまま返してない本がありました、お返しします、すみませんと平身低頭していたら、そりゃあ記憶にないらしく、いいよ、人生が少しでも長いひとに差し上げますよ、ということでいただいてしまいました。ありがとうございます。

Brassaiは戦前から戦後にかけてパリで活躍した写真家で、Paris de Nuit (夜のパリ)で有名です(ちなみにアマゾンだとアダルト扱いで18禁です)。いただいた写真集は死後に発売されたものですが、デザインがきれいで本全体にストーリーがあって、アンダーグラウンドを表現した写真が、本になってエレガントで洗練された1冊になっています。

お茶汲みコピー取り暇つぶしから、編集の仕事をするようになったときに、その上司が手書きで<編集の仕事>というメモを作ってくれて、何日前に入校するとか、作家への原稿依頼の仕方とか、ロジ的なことが列挙してある一方で、全体の構成やストーリーは事前に考えること、準備で仕事の8割は終了、中学生にも理解できる原稿であること(義務教育は中学3年生までなので、の意)、写真の上に字はできるだけ乗せないこと、どういう事実確認をしたか記録しておくこと、などの注意事項が書いてあり、コピーして、デスクやノートに貼って、チェックリスト代わりにずっと使っていました。今は出版業ではないけれど、どんな仕事にも共通して使える私の仕事の原点であります。

この写真集は元々ジャーナリストだったBrassai の原稿と写真が機能的に編集されて、写真集というよりは超ラグジュリーな雑誌のようです。そんな上司がいかにも好みそう=洗脳された私好みの1冊であります。

出版不況の中、モト取ろう根性かタイアップ縛りか、別の要因なのかはわからないけれど、昨今は情報を詰め込み過ぎで美しくない誌面が増えちゃったなと思いました。写真も原稿も海鮮丼みたいにひとつのどんぶりに盛ってあって、ナニを見てナニ読んだんだか気持ちの整理できないままお腹いっぱい。家庭画報本誌にしばし逃避。相変わらずきれいです。

企業にいると企業側が発信したい情報を出すというよりは、もはや時代はできるだけ多くの情報を発信して、まずは"聞いてない"  を防がなきゃならず、さらに情報を選ぶ権利も受け手側にあるわけですが、メディアはもっと情報を絞る、ということをしてくれてもよいように思います。ただ、受け手が気持ちよく受け取れるデザインで。デザインとは見えづらのことだけではなく、ユーザーや読者のアクションとか手法とか素材とか全部含め。いい素材を手にして、もったいないから入れられるだけ全部入れられるものを作るか、自分が作りたいように作ってだれかが食べてくれるまでおいておくか、厳選に厳選した素材で美味しく作って、食べやすくきれいに盛りつけて、そして美味しかったと言ってもらうか。こう書いてみると一瞬脱線ですが、どんな仕事も同じですね。そして最後がやっぱり一番手間かかりますね。

このBrassai の写真集からも削ぎ落していくことの大切さを感じます。
貴重な写真集、拝借していたものからありがたいことに10年以上の時を経て、我が家の書棚の住人となりました。もう一度勉強します。
ありがとうございます。


2011年8月2日火曜日

ドーナツ物語


結局この年になるまで甘いものを食べる習慣がないのは、古くは母ではなく実は父方の祖母の影響であろう。思えば、横浜や神戸で育った母が、甘いものが嫌いだったわけがない。

祖母はいわゆるオーガニックやマクロビのハシリで、広大な田畑を使ってとにかく何でも自分で作っていた。当然、肉や化学調味料、白砂糖は御法度で、私が子供の頃アトピーになったことで激しく母を責めたらしく、母は異常なまでに私の食事を管理して、遠足のおやつは果物を持たせ、お寿司や天ぷらは日常的に食べていたが、ケーキは誕生日やクリスマスに食べる特別なもの、とされていた。おやつといえば祖母が作ったよもぎ餅だけだった。

春休みかゴールデンウィークに、むこう1年分のよもぎ餅を作る。かごを渡されて自分で大量のよもぎを摘みに行き、そのまま煎じてミキサーにかける。餅米とはと麦を配合して焚いて、そのあいだに大豆を炒ってきな粉を作る。荒いペースト状になったよもぎとお米を餅つき機でこねるとたまらなくいい匂いがしてくる。新聞紙を長い廊下にずらっとひいて、米粉をその上に蒔いて、丸めたお餅を並べて乾燥させる。帰京するときにきな粉と一緒に大量に持ち帰る。家の冷凍庫はよもぎ餅でいっぱいになり、1年にならして時々おやつの配給がある。

8歳のとき、母が弟の出産の直前に入院して、そのあいだ母の姉であるグルメな叔母が私の面倒を見てくれた。そんなオーガニックな生活をしているとは思わない叔母が、ある日、渋谷駅の東横のれん街にある東横パン(現サンジェルマン)で、食パンと一緒にねじりドーナツを買ってくれた。当時35円。家に帰ってミルクティーを入れてもらって食べた。!!! あまりの衝撃でよく覚えている。グラニュー糖のじゃりじゃりした感じ、かじると想像外にもちもちとしてねじった部分がびよーんと伸びる。。。

母が退院してきて当然、元のよもぎ生活に戻る。小学校からテニスのラケットを持って、グランドピアノで練習して、渋谷の白鳥と呼ばれていたはずが、サンジェルマンのガラス越しにねじりドーナツを鼻ブタで見つめる子がひとり。。。

たしか朝早くに出発してコーヒーを飲もうかと、どこかの高速道路のSAに立ち寄ったらドーナツプラントがあって、抹茶ドーナツを前にそんな昔話をしたところ、同じ富ヶ谷の住人が、Haritts うまいよ+諸諸説話してくれて、私がふーん、でもドーナツやでしょ(甘いもの興味ないって言ってるじゃないの)、的態度で聞いていたのか、知らないなんてモグリだとまで言うので、その解決ためだけのためにも行かねばと思っていた。

何度もトライして、モグリ呼ばわりが本モグリの危機かと思ったほど、店の場所がわからず、同じ商店街にあるパンの名店、ブーランジェリー プーヴーのあげドーナツ(もまた絶品)でよいかと、妥協しかけていたところ。。。なんとそこは、上原ヨギーの朝練後のコーヒースペース。練習後に連れて行ってもらいました。

いやー、美味しいじゃないですか。普通においしくて、幸せな気持ちになります。ひとつ150-200円くらい。昔35円のねじりドーナツで幸せ爆発だったことを思い出します。あのときのねじりドーナツと同じようにもちもちしてちょっと伸びます。そして満足。お茶とお菓子が幸せと言ったばかりだけど、ドーナツはコーヒーが合う気がします。メロンパンと牛乳、ドーナツとコーヒー、ピザとコーラ、字面だけだと体に悪そうな組み合わせは、昔怒られた買い食いの香りがして無駄に美味しいです。

ちなみにハリッツ、8月前半は夏休みです。あのままハマりそうだったのでよかったです。どうかどなたもお土産に買って来ないでください。