2011年12月7日水曜日

PRのPR

大手の広告代理店を辞めて、PR業界に転じる若い女性のコラムが一瞬話題になった。PRみたいな裏方商売に一部では昨今スポットライトがあたっているようでうれしい限り。人材不足と言われるPR業界に、他業種から若い人が(しかも大手企業を辞めて)チャレンジしようとしているのだから、少なくともすでにPRに従事しているひと(さらにガールじゃないひと)は、本来、PRの仕事の一部である人やモノが世に出ることをサポートする役割であるを思い出して、新しい(しかも若い)人を応援するべきであると思う。

しかしながら、その話題の延長で発見したマーケティング会社(PR会社?)の企業サイトが、実に興味深い。前回のポストに一部かぶるが、戦略PR、WEB PR、トレンドブログ、ソーシャルメディアマーケティングと、PRトレンドの最先端キーワードが満載だ。膨大に抱えるブロガーから最適なブロガーを抽出して、サンプルや体験を提供し、ブログでレポートしてもらい、そのブログをコンテンツとして2次利用することもできるそうだ。媒体が少なくなってきている今、顧客とのコンタクトポイントをウェブ上に多く持たせるという点では非常にニーズの高いサービスなのだろう。

興味深いのは、その企業を活用した企業名や企業ロゴ、かなり大手の企業がそこに実績として掲載されていることだ。PR会社、しいてはそれを提供した企業が " こんな話題作りをしました" "あの製品がうまくいったのはこういうからくりです"と公言していることになる。こういうことは、インハウスのPRは非常にやりにくい(と思う)。少なくとも、"この技術がすばらしい"とか"自社の哲学に基づいて作りました" とかPRしている脇や後で、こんなからくりでした、は、当事者としては言いづらい。ユーザー側に立ってこういうロゴ群を見てしまうと、そこに掲載されている企業のどの製品がこの手の意図的な話題作りのもとで話題になったのか、いらぬ興味がわいてくる。この会社は、その事例のページは、"マーケティング"と明記しているし、広告換算で自社の仕事の評価を掲載しているわけだから、それが問題だということではまったくないのだけど、この手のアプローチってやっぱり広告なんだろうなと思う(メディアのスペースを買っているわけではなさそうので、そこは微妙)。

そういう意味では、マーケティングやPRに限らず、世の中気分がオープン&ソーシャルだ。私、いまここにいます! いまからこれ食べます! このテレビ見てます! と同じように、あのニュースのネタはこんな風に作りました! 

インハウスの広報は、言いたいことより言えないことのほうが圧倒的に多い。言いたいことを言うよりも、市場の声を聞いたり、言わなければいけないことを言うことの方が圧倒的に責任が重い。長くやっていればいるほど、なかなかこのマインドセットを変えるのは難しい。

しかし、時代は常に流れ、メディアも変わり、受けても変わる。時代の流れにのった新しい感性のひとたちで、新しい手法を自由に生み出して行ってくれることに期待&注目しています。