2012年4月12日木曜日

ベクトル上場


長年お世話になっているPR会社のベクトルが上場しました。長年もお世話になっているもハンパじゃない長さとお世話になりっぷりで、最初に出会ったのはこちらもマーケティングも広報も駆け出し、あちらも学生ベンチャーから一皮むけたばかりみたいな10年以上前のことであります。結果的に1年くらい毎日一緒になにかやっている感じだったので、もうどこに転職してもずっとお願いしてきたのですが、まともにバジェットらしいバジェットがあったのは最初の会社だけなので、よくもまあここまで見捨てずに助けてくれたものだと、勝手に感慨深く、勝手に誇らしく思っております。

当初ベクトルのオフィスは青山の雑居ビルにあって、とりあえず組んだ程度のパーテーションで仕切られた会議室で、打ち合わせのたびに外の自販機で買った缶コーヒーを出してもらって打ち合わせしていました。今の赤坂の立派なオフィスはガラスで仕切られていてバーもあって、パーティができそうなレセプションもあって、昔の隣の声が聞こえてきてた打ち合わせスペースとはもうまったく別の会社です。

しかし、社員の皆さんが本当によく働くことだけは昔も今も変わっていません。ベクトルがなにが素晴らしいって、こちらのプランを非常に正確に実現してくれることです。どんな無理難題も、慢性的"明日まで"のお願いにも常に明るく一生懸命なんとか実現してくれます。常に学習して前回よりも確実にスキルアップするので、経験がないとか若いからダメということはなく、むしろ、最近はこちらが年を取ってきたこともあり、若いって素晴らしいとさえ思います。そして、円高でバジェットが削られ、以前はお願いしていた発注先との細かいやりとりなどホントめんどくさいことを自分でやるように多少努力しているので、彼らのありがたみが身にしみておる次第です。

先日上場を発表したFacebookも始まりは学生ベンチャーみたいなもので、在庫を持たず、ソフトウエア/エンジニアリングで上場するわけですが、ベクトルも社員のアタマと根性、言い換えると人というソフトウエアで、しかも広報という評価軸の定まらない業種で上場するわけですから、ある意味Facebookの上場よりインパクトがあります。マーケティングやメディアや広報というものの概念がどんどん変わって、歴史や伝統、オレ様スタイルオヤジの存在価値が薄い昨今、ベクトルのように若くて柔軟な会社がこうして一定の成功をおさめていることは非常に象徴的です。

上場したのでこれからはあまり無理が言えなくなってしまうなと思っていたところ、役員の方がこれまで通りで構わないということだったのでw、これからもますますよろしくお願いします。

おめでとう!

2012年4月2日月曜日

サプライズパーティ


いやはや、こんなにうまくいくとは思いませんでした。構想2ヶ月、準備2週間、イベレジのあやちゃん、おかちょく、ゆーすけの多大なるサポートと、ファイヤーキングカフェの相変わらずの素晴らしいオペレーションと、参加してくださった皆さんの知的社交的レベルの高さのおかげで、村上憲郎さんお誕生日サプライズパーティは大成功でした。皆さん、ありがとうございました。

村上憲郎さんのGoogle Japan 社長時代、私は広報として大変お世話になりました。お世話になった人はたくさんいると思いますが、私ほどお世話になった人もそういないと思います。マイクロソフトで、"上司は使うもの" ということを身につけてしまった私は、席が近いことをいいことに、(レポートライン的には上司ではなかった)村上さんに、面倒なことをちゃっかりたびたびお願いしていました。よく仕事を振るので、"振り袖姫" とあだ名をつけられていました。途中でお病気をされて、その前後で私は退職して、年に1−2度、お話する程度だったのですが、すっかりお元気になられて、Googleを退任されてからもすっかりお元気でご活躍なので、一度みんなで会えたらいいなーと思っていました。

で、どうせ会うなら、会いたい人はたくさんいるだろうと思い、村上さんを通じて村上さんのお仲間が集えばそりゃ楽しいだろうと思い、今回の企画に至ったわけであります。数人のGoogleのメンバーとお誕生日にお食事しましょう、3月のアタマに京都で食事をご一緒したのをみんなうらやましがっています、ということでお誘いしており、そのとおり、6時半からGoogleのメンバーでファイヤーキングの2−3軒隣のおでんやで食事してたのであります。何とも偶然に都合よく、席がいっぱい+予定外のメンバーが参加して、もう座れないのですぐそこの店に移動しましょう、ということで移動してみたら、サプライズ! というわけだったのでした。あまりの驚きぶりに、こちらが驚いたくらいです。大成功。

知的な大人の集まりで、これまた村上さんのお人柄。飲んで食べてよくしゃべって、アジェンダには皆さんパッと参加してくださり、大変盛り上がりました。 集計してみたらなぜか赤字になりかけていたところ、パーティ後に残ったGoogler, ex-Googler のご寄付のおかげで、なんとかサバイブ。こちらもありがとうございました。

さて、今日から新年度。楽しい締めくくりを胸に、頑張りましょう。


2012年2月10日金曜日

記者会見


企業とメディア(またはメディアを通した顧客や市場)とのコミュニケーションツールは非常に多様化してきて、案件や相手に応じた対応が求められていますが、広報にとって、記者会見は表舞台としてはもっとも重要でインパクトのあるコミュニケーションであることは変わりない。会見のスタイルも企業の文化や状況を表現するし、社内から見ても会見上手なエグゼクティブは頼もしいし、会見で失敗したら間違いなくスカタンに言われています。

20代の頃の7-8年は、メディア側にいて、多くの記者会見に出席しました。いまとなって活かしている勉強になった記者会見がいくつもあります。

当時のJALは広報の社員が受付をしていました。社員なので普段おつきあいしている記者さんの名前がわかります。その場でこんにちわ、お久しぶりですねーなどと話して席に案内する。人員に余裕がないとできませんが、素晴らしいと思いました。

トヨタの会見も圧巻でした。ホテルの宴会場にドンとクルマが入れてあって、世の中にこんなに記者さんがいるのかと思うほどの人がいて、やー、すごい人だったよーというのが一つのメッセージになります。エグゼクティブのスピーチに、" これからも、トヨタは自動車事故ゼロの社会を目指して、xxxxx " と、社是というか、売り上げナンボというより、企業がどう社会に貢献したいのかのメッセージがすごく印象に残りました。

エスティ ローダーの広報のトップは私が広報人として最も尊敬する鈴木ハル子さんが長年務めていらっしゃって、発表会はいつも素敵なスペースで、高級化粧品にふさわしい優雅な雰囲気が演出されていました。お土産がいつもゴージャスで、これは、ローダー夫人の" Empty Handsでお客様を帰してはいけません" というご方針が継承されているのだそうです。

一方で、会見というよりはプレス向けのパーティでしたが、お預かりしていたコートのラックが壊れて倒れて、バッグもコートも番号札もバラバラになり、会場を出るのに4時間かかったパーティがありました。翌日広報の皆さんは参加者皆さんにお詫びに出向いて回ったそうでありますので、その対応も勉強にはなりますが、いまでもコートと荷物をどうするかをまず考えます。そのパーティの話もしつこく代理店さんや会社の若者に話します。どんな会見もパーティも台無しになります。

広報の最初の経験はマイクロソフトでした。会社に入って2週間でウイルスに関連したクライシスを体験しました。当然失敗して、会社に大損害を与えました。出版社で自分は仕事がものすごくできると思ってたのですが、この会社の9割以上が自分よりもアタマのいい人の集団だということに気づきました。この会社には自分がしゃべらずとも自分以上によく話せて、しかもプレゼンテーションソフトの会社なのでプレゼンがうまいひとがたくさんいました。会社のなかであいつはプレゼンがうまいとかヘタとかが会話の中に普通にあって、プレゼンがヘタなひとで仕事ができるひとはあまりいないような気がしました。
当時はPCといえばWindowsだったから、社会への責任感みたなものも社員はとても強く持っていたと思います。いいニュースのインパクトも派手だけど、問題が起きた時のバッシングもハンパじゃない。なので、製品が出た時だけ会見するんじゃなくて、日頃からこれと言ったニュースがなくても定期的な勉強会を開こうという動きにしたのは、友人もある現広報部長の功績だと思います。

グーグルも衝撃的でした。なんて簡素なんでしょうw 入社した当初は、もともと会見が好きじゃなかったのかもしれません。少人数でラウンドテーブルを社内の会議室でさくっとやったり、部数やリーチは小さくでもTechメディアを非常に大切にしていました。正直私はあんまり理解できなかった。でも、グーグルは技術の会社だから、やはり技術者たちが触れる媒体にきちんとフェアな情報が載っていないとやはりダメなんだと後になってすごく理解しました。
それでもグーグルがものすごく伸びた時期だったから、あらゆるメディアであらゆる経験をさせてもらいました。

マイクロソフトの月例勉強会と、総理大臣の毎日のぶら下がりをアレンジして、毎週の定例記者会見というのをやっていました。毎週なんて続かないとかリソースを食うとか色々言われたんだけど、とにかくひとりで毎日のようにラウンチがあるので、記者さんとのコミュニケーションの時間がない。なので、毎週この時間に会社に来ていただければ、担当者もいるし、ご自由にぶら下がってお話ください、という会にしました。ランチも出した。それまでグーグルは配布物をしなかったけど、関連資料も配ることにしました。広報側としてよかったのは、そこではカジュアルにコミュニケーションできるので、記者さんの名前も覚えられるし、だいたいどんな角度で質問するかが個別にわかるので、こちらも相手を知るのにいい場所であるということです。(現在は広報も複数いて、十分なビジビリティなのでやってないと思います)

YouTubeをグーグルが買収して、YouTubeに関連した記者会見を何度もやりました。いまではこんなにメジャーになって陰ながら感慨深いですが、当時は著作権問題に関連してまったく笑えない状況でした。YouTubeをやる前は、国内の企業がGoogleとなにかすることの広報は、あまりGoogle側のメリットをよく見いだせてなかったのです。担当者はパートナーに広報約束しちゃってて、立派なプレスリリースができあがっている、Googleのビジネスは基本的にパートナーありきだから、全部やってたらきりがないと。しかし、YouTubeの広報については国内のパートナーさんに非常に助けられました。日本語話せない外国人が日本人の奥さんのおかげで街の人とコミュニケーションできた、という感じで、そういえば、マイクロソフトもどっかの大学が何かを採用しましたとかやってたなーと後になって思い出しました。

テスラに入って、やはりトヨタさんやパナソニックさんに大きなサポートをいただいています。ITのときと違って業界に歴史があるので、記者さんとのコミュニケーションもお約束が結構あります。最初の会見ではあきらかにスペースに対してご来場が多いと思ったので、最初から椅子なしでやりました。クルマの会見で椅子なしというのはまあ、ありえないそうでw。ジャーナリストのかたは基本クルマで移動されるので駐車場があるところでやったほうがいいとか、もろもろひとこと届けておいた方がいいこととか、ご出資もいただいてさらにアドバイスもいただいているというw 

で、今日の記者会見は椅子を入れました(自慢)。米国で会見をするというので、ウェブキャストで中継してくれと頼んで、同時通訳を入れてショールームでウェブ会見となりました。諸先輩はネットつながらなかったらどうするんだと、リスク高すぎるということでしたが、思い切ってやってみて、非常によかったと思います。
課題は同時通訳。機材のお金が本当に高い。続けていくにはここの解決が必要だと思います。あと、One Way じゃなくて、こちらから質問できるような回線にできるようにしたいです。これは次回の(予算的)課題。

写真は記者会見の3種の神器 --- 資料、コーヒーまたはお茶(両方準備が必要)、軽食。